ママのそばしばらくしたらパパのそば子の夢載せる腕枕かな
――胡兴智
御空より仏の光注げるに包まれながら故郷の夢を
――胡兴智
「父母の居らぬ故郷の除夜寂し」書きつつ思ふここも故郷
――胡兴智
大寒に届けし故郷のEメール読みて瞼に熱きものあり
――胡兴智
東瀛の空気を読めずひたすらにその日その日を送るばかりに
――胡兴智
波は寄せまた帰りゆく冬の海青に融けこむ帆船白し
――胡兴智
岩群に当りて砕く波白し不死といふ思ひ眺むる
――胡兴智
異郷の地浮雲のごと水のごと錫杖と鉢持ちて歩まむ
――胡兴智
生き死にを究めず松は風のなか凛と聳えて旅人眺む
――胡兴智
あといくつ山を登れば休めるか雲を出で入る故里の月影
――胡兴智