客观日本

2015年短歌投稿选登(2)

2015年03月07日 俳句及汉徘投稿作品

真実を求むべからず現実は小説よりも奇ありの虚構

異文化の壁の厚さを訴えつつ祈りてやまぬ広き胸襟を

自文化の海をすいすい泳いても忘れる勿れ外来魚あり

違ふ鳥違ふ歌声ありてこそ天籟響く豊潤な森

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何したい何ができるか我に聞くチャンスをもらい新たな道を

ハサミにてボケの枝切りまた矯める今を生けつつ表裏を知らず

矯められて折られていてもボケの花雪に微笑む紅梅の如

親元の樹より切られて剣山に立ちて微笑むボケの花かな

枝もよし葉も花もよしボケの樹の故郷知らず只管生けむ

透明な壁に向いて透明な心を生けて花と語らむ

わが心花と触れ合ふ喜びを噛み締め過ごす異郷の日々を

 

透明で厚き壁の前清らかな花の心は今透きて見ゆ

原産の故郷の地を望むボケ異郷を包む春風を待つ

馬を追ふ時が過ぎ去り草原に佇み羊と夕日眺めむ

 

夕暮れに消え去る蹄聞きながら羊と共に明月を待つ

歌人/胡兴智