高倉健さんを偲ぶ
人想ふ孤高の山を下りしいま隣国のため爽やかな風を
魂は海の向こうの暖かき異郷の大地千里を走る
何億の心の中で生きゆくは人情深き大和魂
いつまでも鉄道員は日中のレールの先を見つめ立ちゐつ
日中の氷の融ける日はいつかそよ風と待つ黄色きハンカチ
広々と美しき海を見せ給ひ水平線の無き青さ見ゆ
黙々と心の言葉探しつつ芝居に生きて芝居を生きる
「一度切りを生きる」生き様銀幕に演じられわが日々なる糧に
教わるは自分であること学ぶだけ芝居に生きる巨匠の言葉
生き方が芝居に出るを聞きながら吾の授業に出るのは何か
歌人/胡兴智(选自《长风》2015年1月号)